EndoZyme®II よくある質問(FAQ)

EndoZyme®IIについて

Q1:EndoZyme®IIはLALアッセイの有効な代替法ですか?

A1:
はい。EndoZyme®IIはLALアッセイの有効な代替法です。
欧州薬局方(EP)において、2016年7月1日にEndoZyme®IIなどリコンビナントC因子(rFC)を用いた試験法がLALアッセイの代替法として承認されました(Chapter 5.1.10)。

FDAのガイダンス(FDA 「Guidance for Industry - Pyrogen and Endotoxins Testing: Questions and Answers」)においては、(EndoZyme®IIを含む)リコンビナントのカブトガニC因子を用いた試験法がバリデート(妥当性確認)された代替法として記載されています。
米国薬局方(USP)では、代替法が公定法と同等かそれ以上であり、USP33-NF28(General Notices), 6.30.(Alternative and Harmonized Methods and Procedures)に則りバリデートされている場合にその使用を認めています。
EndoZyme®IIは外部のGLP認定機関でバリデートされており、そのバリデーション証明書も入手可能です(弊社までご照会ください)。

注:代替法の検証のための要件はUSP Chapter <1225>(または日米EU三極医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議の分析バリデーション: ICH-Q2B Validation of Analytical Procedures: Methodology)に記載されています。

Q2:EndoZyme®IIはFDAで承認されていますか?

A2:
EndoZyme®IIの製造には動物由来成分は使用されていません。
EndoZyme®IIは生物学的製剤を含まず、また診断用途としての使用を意図していないのでFDA承認(license)は必要ありません。

但し、2012年6月より、FDAの「Guidance for Industry」において、「リコンビナントC因子(rFC)を製造者が選択する場合にはUSP Chapter <85>のPhotometric Quantitative Techniquesの項およびUSP Chapter <1225> Validation of Compendial Proceduresで示される要件に従いバリデーションを実施しなければならない」とされ、EndoZyme®IIはバリデートされています。

Q3:EndoZyme®ⅡはLALアッセイと同様に阻害物質に影響されますか?

A3:
複雑なマトリクスの試料では不均一(ヘテロジニアス)法のEndoLISA®をおすすめします。
LALアッセイと同様にEndoZyme®IIは均一(ホモジニアス)法の検出キットですので環境試料や水試料のようなマトリクスの少ない系に適しています。

Q4:測定をするのにどのような機器が必要ですか?

A4:
①ボルテックスミキサー
②標準的なラボ用ピペッター
③マルチチャンネルピペット
④ピペットチップ(エンドトキシンフリー)
⑤ガラス試験管(エンドトキシンフリー[例えばEndoGrade® ガラス試験管:製品番号800050])
⑥インキュベーター
⑦プレートシェーカー
⑧蛍光マイクロプレートリーダー(励起波長380 nm、蛍光波長445 nm)
⑨検量線の作成、試料中のエンドトキシン濃度の計算のためのソフトウェア(EndoZyme®IIの検量線はエンドトキシン濃度と蛍光測定値の両対数を取り、直線回帰によって求めることを推奨します。)

Q5:ガラス器具またはプラスティック製品のどちらを使用すべきですか?

A5:
エンドトキシンはガラス表面よりもプラスティック表面に強く吸着しますので
試料の調製、標準液の希釈にはガラス製試験管のご利用を推奨します。
弊社では、EndoGrade® ガラス試験管(製品番号800050)の取り扱いがございます。

Q6:カイネティックLAL試験に使用しているマイクロプレートリーダーを利用できますか?

A6:
カイネティックLAL試験では吸光プレートリーダーで測定します。
EndoZyme®IIでは蛍光基質を用いていますので蛍光プレートリーダーが必要です。

Q7:EndoZyme®II測定に必要な蛍光プレートリーダーのフィルターは?

A7:
EndoZyme® IIは以下のフィルターで開発、バリデートされました。
  励起フィルター(nm/バンド幅)380/20
  吸収フィルター(nm/バンド幅)440/40(※450/50でも正確に測定できます。)

Q8:キットで何回テストできますか。

A8:
EndoZyme®IIキットには96ウェルのマイクロプレート2枚が含まれていますので192テストできます。

Q9:1回の測定で何検体の試料が測定できますか?

A9:
検量線分と規則で必要なコントロール分を考慮すると、1プレートあたり21検体の測定が可能です。
EndoZyme®IIは96ウェルのマイクロプレート上で測定します。
2×6ウェルは標準検量線(二重測定)に使用しますので84ウェルが試料用に残ります。
試料は試料そのものと、スパイク(ポジティブコントロール)添加試料を2回ずつ測定することを推奨します。

Q10:測定に必要な試料量は?

A10:
試料量はウェルあたり100 uL必要です。
さらにスパイク(ポジティブコントロール添加)試料測定と二重測定も推奨していますので、適宜調製するためには試料は各400 µL必要です。

Q11:EndoZyme®IIキットにβ‐グルカン阻害剤が含まれていないのはなぜですか?

A11:
EndoZyme®IIはエンドトキシンと特異的に反応し、β‐グルカンとは反応しません。 それ故EndoZyme®IIによるエンドトキシン測定ではβ‐グルカンによる正の誤差はなく、β-グルカン阻害剤も含まれておりません。

Q12:EndoZyme®IIの測定範囲は?

A12:
0.005~50 EU/mLです。

Q13:スパイク回収率はどのように計算するのですか?

A13:
スパイク回収率(%)
=[(スパイクで測定されたエンドトキシン量)-(試料で測定されたエンドトキシン量)]
/(スパイクに添加したエンドトキシン量)×100

例:スパイク中エンドトキシン量=14.5 EU、試料中エンドトキシン量=10 EU、スパイクへの添加エンドトキシン量=5 EUならば、
  (14.5 EU-10 EU)/5 EU×100=90(%)

Q14:エンドトキシン単位(EU)は質量単位でどのように換算されますか?

A14:
1EUは100pgのエンドトキシンに相当する、と経験則として言われています。
(但しエンドトキシン活性はバクテリア株によって大きく異なります。)

Q15:EndoZyme®IIでテストできない試料はありますか?

A15:
複雑なマトリクス成分を含む試料のエンドトキシン測定には、広範な種類の生成物質や成分に対応するEndoLISA®をおすすめします
(但し蛍光を自然放出する物質が含まれると、EndoLISA®測定に影響が出る可能性があります)。
またEndoZyme®IIでの血液・血漿測定も、エンドトキシンが血液でマスクされるため推奨しません。
EndoZyme®IIは複雑でない試料の高感度測定に適しています。

Q16:EndoZyme®IIで血液/血漿/血清中のエンドトキシン(LPS)を検出できますか?

A16:
EndoZyme®IIによる血液試料の測定は推奨しません。
LALアッセイと同じくエンドトキシンが血液でマスクされ、測定値の信頼性は保証できません。

Q17:EndoZyme®IIのSDSはありますか?

A17:
Non-Hazardous Product Statement(英文)のご用意がございます。ご希望される場合は弊社までご照会ください。