【タイトル要約】
高分解融解解析(HRM)によるヒトミトコンドリア遺伝子の配列変異の同定
高分解融解解析(HRM)によるヒトミトコンドリア遺伝子の配列変異の同定
Identifying Sequence Variants in the Human Mitochondrial Genome Using High-Resolution Melt(HRM) Profiling.
Steven F. Dobrowolski, et al.
Human Mutation 2009, 30, 891
Human Mutation 2009, 30, 891
ヒトの疾病に関わるミトコンドリアDNA(mtDNA)の配列変異を同定することは容易ではない。多くの病的変異はヘテロプラズミックであり、変異アレルの存在比が大きく変動する。高分解融解(HRMまたはHRMA)プロファイリング法は、ミトコンドリア遺伝子全体の検査、および特定の病的変異の検出に適用できる。
アッセイパネルはミトコンンドリアゲノム全体をカバーするため、36のオーバーラップするフラグメント(301-658bp)で構成されており、通常のPCRプロトコールを用いることができる。この網羅的なアッセイにより、33の患者検体のすべてにおいてヘテロプラズミックな変異を同定した。アレル存在比は検体によって1から100%の変動があった。この網羅的なパネルで125人の健常者のmtDNA検体を検査したところ、431の稀な配列変異を同定した。
この網羅的なアッセイパネルによる患者検体のミトコンドリアゲノムの検査は、384ウェルプレート1枚、または96ウェルプレート2枚を用いて1日以内に終えることができる。特異的なアッセイにより、高乳酸血症と脳卒中様症状をもつ脳筋症(MELAS)に関わる変異m.3243A>G、赤色ぼろ繊維ミオクローヌスてんかん(MERRF)に関わる変異m.8344A>G、アミドグリコシド感受性難聴に関わる変異m.1555A>Gを同定した。
このアッセイ系はキャリブレーションされた、アンプリコンの融解に基づく方法なので、デザイン、操作、解釈が容易で、10%未満のヘテロプラズミーを検出する感度をもつ。この方法により、約1時間でジェノタイピングすることができる。

