E-キット D-グルコース/ショ糖/果糖

はじめに

本法は、オーストリア、オランダ、ドイツ、スイスの食品法に収載されています。IFU、AIJN、MEBAK、およびOICCCで推奨され、DIN、EN、GOST、NEN、およびNFで標準化されています。

測定原理

装置条件

波長：340nm（NADPH）ε＝6.31×mmol^-1×cm^-1
光路長：1.00cm（ガラスまたはプラスティック・キュベット）
温度：室温（＋20℃～）
終量（反応液量）：3.020ml
測定対照：水
試料溶液：0.100～1.800ml（ショ糖）/2.000ml（D-グルコース、D-果糖）試料溶液中4～150μgショ糖＋D-グルコース＋果糖含有

試薬

#S．クエン酸 バッファー pH約4.6、510UのβFS
　　 （安定性は包装ラベルを参照）を含む混合粉末を
　　 含有しています。
　　 内容物を7mlの蒸留水に溶解してそのまま
　　 使用します。溶液は4℃保存で1ヶ月間、
　　 －20℃保存で2ヶ月間安定です。

1．トリエタノールアミン バッファー pH約7.6、約80mgの
　　 NADP、約190mgのATP、硫酸マグネシウム
　　 （安定性は包装ラベルを参照）を含む混合粉末を
　　 含有しています。内容物を31mlの蒸留水に
　　 溶解してそのまま使用します。
　　 溶液は4℃保存で1ヶ月間、－20℃保存で
　　 2ヶ月間安定です。

#2．約0.7mlのHK/G6P-DH懸濁液（約200U/100U）
　　 （硫酸アンモニウム液）
　　 （安定性は包装ラベルを参照）
　　 を含有しています。懸濁液をそのまま使用します。
　　 懸濁液をピペットで秤取する前にビンを
　　 注意深くゆっくり回転させ内容物を均一に
　　 分散させます。

#F．約0.7mlのPGI懸濁液（約490U）
　　 （硫酸アンモニウム液）
　　 （安定性は包装ラベルを参照）
　　 を含有しています。懸濁液をそのまま使用します。
　　 懸濁液をピペットで秤取する前にビンを
　　 注意深くゆっくり回転させ内容物を均一に
　　 分散させます。

追加（キット中には含まれません）

測定試験のコントロールとして、無水超高純度のショ糖 0.8g/l、無水D-グルコース 0.5g/l、超高純度のD-果糖 0.5g/lの標準液をそれぞれ使用します。

ショ糖、D-グルコース、およびD-果糖の測定用試薬類はすべて、人に無害です。化学実験室における作業用一般安全性規則に準拠して、使用後は実験室廃棄物として処理できます。包装材料はリサイクルできます。

特長

1. 特異性：
   D-グルコースとD-果糖に特異的です。2-β-フルクトサンが存在しない場合は、ショ糖に対しても比較的特異性の高い測定法になります（2-β-フルクトサンが存在する場合は、ショ糖よりも反応が遅れます。）市販のショ糖を測定した場合は、100％が期待できます。D-グルコースおよびD-グルコース無水物を測定した場合は、吸湿しているために＜100％になります。
2. 感度：
   0.2mgD-グルコース/l、またはD-果糖/l
   （ΔA＝0.005;v＝2.000ml;V＝3.020/3.040ml）
   1mgショ糖/l
   （ΔA＝0.010;v＝1.800ml;V＝3.020ml）
3. 検出限度：
   0.4mg/D-グルコース/l、またはD-果糖/l
   （ΔA＝0.010;v＝2.000ml;V＝3.020/3.040ml）
   2mg/ ショ糖/l
   （ΔA＝0.020;v＝1.800ml;V＝3.020ml）
4. 直線性：
   4μgショ糖＋D-グルコース＋D-果糖/測定（v＝1.800ml;V＝3.020/3.040ml）～150μg
   ショ糖＋D-グルコース＋D-果糖/測定（v＝0.100ml;V＝3.020/3.040ml）
5. 精度：
   　ΔA＝±0.005 吸収単位（D-グルコース、D-果糖）（Abs.）
   　ΔA＝±0.010吸収単位（ショ糖）（Abs.）
   　CV＝約1～2％（D-グルコース）
   　CV＝約1～3％（ショ糖）
   果実ジュース:r＝1.9＋0.033 ×Cショ糖[g/l]
   　R＝3.3＋0.061 ×Cショ糖[g/l]
   　r＝0.42＋0.027 ×C_{D-グルコース}[g/l]
   　R＝1.0＋0.042 ×C_{D-グルコース}[g/l]
   　r＝0.15＋0.033 ×C_D-果糖[g/l]
   　R＝1.05＋0.045 ×C_D-果糖[g/l]
6. 測定妨害：
   特にありません。

参考文献

1. Bergmeyer, H.U. & Bernt, E.（1974）in Methods of Enzymatic Analysis（Bergmeyer, H.U., ed.）2nd ed.,vol. 3, pp. 1176-1179; Bergmeyer, H.U., Bernt, E., Schmidt, F. & Stork, H.（1974）in Methods of Enzymatic Analysis（Bergmeyer, H.U., ed.）2nd ed.,vol. 3, pp. 1196-1201;VerlagChemie Weinheim/Academic Press Inc., New York and London

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