E-キット L-グルタミン酸

生化学分析および食品分析用テストコンビネーション
用手法キット [ スタンダード別売、エコノミーキットと改良キット ]

E-キット L-グルタミン酸 製品情報

オーダーインフォメーション

カテゴリ 有機酸
製品番号 E1269 製品名 E-キット L-グルタミン酸
ENZYTEC L-Glutamic Acid
包装単位 12回×3本 測定用 希望価格 価格表ダウンロード
測定法 比色法 保存方法 要2~8℃保存
資料ダウンロード

はじめに

本法は、ベルギー、ドイツ、スイスの食品法に収載されています。NMKLにより推奨され、GOST、ISOにおいて標準化されています。

測定原理


装置条件

波長:492nm(フォルマザン)ε=19.91×mmol-1×cm-1
光路長:1.00cm(ガラスまたはプラスティック・キュベット)
温度:室温(+20℃~)
終量(反応液量):3.030ml
測定対照:水
試料溶液:0.200~2.000ml試料溶液中0.4~14μgL-グルタミン酸含有

試薬

1.約25mlのリン酸カリウム/トリエタノールアミン
   バッファー pH約8.6、Triton X-100
   (Rohm&Haas, Philadelphia,USAの商標)
   (安定性は包装ラベルを参照)
   を含有しており、内溶液をそのまま使用します。
   使用前に#1のビンを室温に戻します。

#2.約28mgのNAD、約6Uのジアフォラーゼ
   (安定性は包装ラベルを参照)からなる
   凍結乾燥粉末を含有するビン3本からなります。
   #2ビン1本当たり2.5mlの蒸留水を加えて内容物を
   溶解します。溶液は4℃で1週間安定です。
   使用前に#2のビンを室温に戻します。

#3.約2.5mlのINT溶液(安定性は包装ラベルを参照)
   を含有しています。ビン#3の内容物を6mlの
   蒸留水で希釈します。溶液の安定性は+4℃保存で
   3ヶ月間安定です。室温保存で1ヶ月間安定です。

#4.約1.2mlのGLDH(約1,200/U)
   (安定性は包装ラベルを参照)を
   含有しています。溶液をそのまま使用します。

#5.約4.0mlのL-グルタミン酸測定用コントロール
   (濃度および安定性は包装ラベルを参照)を
   含有しています。

L-グルタミン酸の測定用試薬類はすべて、人に無害です。化学実験室における作業用一般安全性規則に準拠して、使用後は実験室廃棄物として処理できます。包装材料はリサイクルができます。

L-グルタミン酸の測定操作

ピペットにより
キュベットに
秤取します
ブラ
ンク
標準
1
試料2 2回
測定3
内部
標準
加え
測定4
低濃度
測定5
#1:
リン酸カリウム
トリエタノールアミン
バッファー
pH約8.6
Triton X-100
0.600 0.600 0.600 0.600 0.600 0.600
#2:
NAD/
ジアフォラーゼ
0.200 0.200 0.200 0.200 0.200 0.200
#3:INT 0.200 0.200 0.200 0.200 0.200 0.200
試料6
(例0.007~0.07g
L-グルタミン酸/l)
0.200 0.100 0.100 2.000
標準液6
(例0.07g
L-グルタミン酸/l)
0.200 0.100
蒸留水 2.000 1.800 1.800 1.900 1.800
混和7し、3分経過後、吸光度(A1)を測定します。更に2分経過後、再度吸光度を測定します8次いで以下の#4の酵素試薬を添加します
#4:
GLDH液
0.030 0.030 0.030 0.030 0.030 0.030
混和7し、反応終了まで待ちます(吸光度は約20分で一定になる)。吸光度(A2)を測定します。更に2分経過後、再度吸光度を測定します8

注)

  1. 分析中のアクシデントを監視するために標準液を同時に測定するもので、標準液の測定は計算には用いません。
  2. コントロールの測定は、1回測定するのみです。
  3. 2回測定は、異なる試料液量による2試料測定の意味。測定された吸光度差(ΔA)は試料の液量に比例します。
  4. 回収率=[(2×ΔA試料+標準液-Δ試料)/Δ標準液]×100[%]の式で計算されます。
  5. 低濃度のグルコースを分析する場合には、試料溶液を2.000mlまで使用して(0.0002~0.07 gL-グルタミン酸/ l)測定することをお勧めします。
  6. ピストン型ピペッターを使用する場合は、分注する前に、特に酵素試薬の分注に用いたピペットはよく洗浄してからご使用ください。
  7. プラスティック製攪拌棒、あるいはパラフィルムでキュベットに蓋をして混和します。
  8. 更に2分後の吸光度を測定して、変化が吸光度で、<0.010の場合に、吸光度を読んだ後に直ちにGLDHを加え、変化が>0.010あった場合は、試料調製段階で還元物質を除去する必要があります。
  9. 吸光度が一定になれば反応が終了しています。反応が終了していない場合は、2分毎の測定を継続し、増加(減少)率が一定になれば反応が終了しています。この場合は、反応終了時点から、GLDH添加時点の吸光度に外挿します。

計算

ΔA=(A2-A1試料または標準液-(A2-A1ブランク
C=(V×MW×ΔA)/(ε×d×v×1000)[ gL-グルタミン酸/l試料溶液]
c=(3.020×147.13×ΔA)/(19.9×1.00×0.200×1000)
 =0.1120×ΔA[ gL-グルタミン酸/l試料溶液]

試料の調製において、分析試料を希釈した場合は、これに希薄率(F)を掛けてください。

試料の調製において、分析試料を秤量した場合は、秤量重量から含量を計算してください。

CL-グルタミン酸=(CL-グルタミン酸[g/l試料溶液] /秤量試料[g/l試料溶液])×100[g/100g]

特長

  1. 特異性:
    L-グルタミン酸に特異的です。市販のL-グルタミン酸を測定した場合は、99%の結果が期待されます。
  2. 感度:
    0.06mg(ΔA=0.005;v=2.000ml;V=3.030ml)
  3. 検出限度:
    0.2mg(ΔA=0.020;v=2.000ml;V=3.030ml)
  4. 直線性:
    0.4μg/測定(v=2.000ml;V=3.030ml)~14μg/測定(v=0.200ml;V=3.030ml)
  5. 精度:
     ΔA=±0.005~0.010吸収単位(Abs.)
     CV=約1~2%
    ボイルドポークソーセージ:×=0.13 g/100g
     r=0.01 g/100gs(r)=±0.0035 g/100g
     R=0.013 g/100gs(R)=±0.0047 g/100g
    トマトパルプ:
     r=0.08 g/100gs(r)=±0.03 g/100g
     R=0.11 g/100gs(R)=±0.04 g/100g
     r=0.42+0.027×CL-グルタミン酸g/l[g/l]
  6. 測定妨害:
    6.1
    INTは光に感受性なため、INTを含む溶液は暗所に保存してください。
    6.2
    高濃度のアンモニアが測定系に存在しますと、反応速度が低下します。
    6.3
    高濃度の還元性物質(例L-アスコルビン酸、亜硫酸塩)は試料調製段階で過酸化水素で除去する必要があります。低濃度存在する場合は、クリープ反応を起こす可能性があります。
  7. 技術情報:
    #1、2、3は、分析の際に予め3:1:1の割合で混合して使用することが可能です。混合液は、室温で1時間安定です。各測定に混合液1.000mlをピペットにより秤取するだけになります。

参考文献

  1. Beutler, H.-O. & Michal, G.(1974)in Methoden der enzymatischen Analyse(Bergmeyer, H.U., ed.)3. Aufl., Bd. 2, S. 1753-1759,VerlagChemie, Weinheim