メチル化検出Hi-Res Melting

メチル化検出Hi-Res Melting

メチル化検出Hi-Res Melting

背景と方法

ゲノムDNAをバイサルファイト(重亜硫酸塩)で処理すると、増幅反応系でメチルシトシンを検出することができます。

メチル化検出高分解融解分析(Methylation Sensitive Hi-Res Melting™)は融解温度と融解曲線の形状を比較し測定領域のメチル化を評価する迅速で簡単な手法です。

個別のCpG部位、または複数のCpGで構成される領域のメチル化が解析できます。High Sensitivity Master Mixを用いてキャリブレーションを行うと、複数のCpGがあるサイトの1つのメチル化が検出できるほど感度が向上します。

High Sensitivity Master Mixのキャリブレーション機能によりHigh-Res Meltingの感度は更に高くなり、高度な識別が可能です。

高感度なマスターミックス試薬

High Sensitivity Master MixにはLCGreen®Plusと専用にデザインされたオリゴヌクレオチド・キャリブレーターが含まれています。このキャリブレーションにより、温度精度が非常に高くなります。

メチル化されたCはバイサルファイトによるUへの変換反応を受けないため、アンプリコンのTmはメチル化されている割合に相関します。高メチル化されたサンプルはTmによって区別できます。
また、内部キャリブレーションにより、液量やバッファー組成の差異によるに変動も補正されます。

このように融解温度を正しく反映する曲線を与えるHi-Res Melting™は、エピジェネティックスの分野で必要とされる研究に理想的な手法です。

アッセイデザイン

以下のガイドラインに沿って、最適な状態で高感度メチル化検出Hi-Res Melting™分析を行ってください。

市販のバイサルファイト変換キットをご用意ください。融解曲線が適切に得られていることを確認するため、
バイサルファイト処理はデュプリケート(同一サンプルを2本)で行ってください。

  • ○ 評価するCpG領域を最大限カバーし、感度の損失を最小限にするには、100~150bpの
      アンプリコンが優れています。
      CpGの評価を狭い範囲で行う場合は、アンプリコンのサイズを上記より小さくします。
      多くのCpGからなる均一な領域、例えばプロモーターのホットスポット全体のメチル化の程度を
      測定する場合は、より大きなアンプリコンを使うことも可能です。
  • ○ アンプリコンの融解温度が70~88℃になるようにしてください。
      融解温度の推定はhttp://www.idahotech.com/Support/のTmツールが利用できます。
  • ○ 相補する配列やヘアピン構造などを避けるため、プライマーの設計にはアイダホテクノロジー社
      のLightScanner® Primer Designなどのソフトウェアをご利用ください。
  • ○ 効率良く増幅させるため、フォワードとリバースプライマーのTm値の差は1℃以内に
      なるように設計してください。
      また、プライマーのTm値は55~65℃の範囲が適切です。
  • ○ BLASTやカリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)のin-silico PCR predictorなどの
      オンライン検索を利用してプライマーの特異性を確認してください。
  • ○ プローブは不要です。
      ただし、単一のCpG部位について調べる場合には、スモールアンプリコン法(~50 bp)あるいは
      LunaProbes™法をおすすめします。
  • ○ 典型的なPCR条件では、初期変性:94℃/2分の後、94℃/30秒および55~65℃/30秒の
      サイクルを40~45回繰り返します。
      最後にヘテロデュプレックスを生成させるステップを設定します。
      PCRの直後、変性:94℃/30秒およびアニーリング:室温(~28℃)/30秒または無限大として
      プログラムして下さい。最後のヘテロデュプレックス生成には、降温速度を最大にすると
      最も良い結果が得られます。

メチル化分析結果の例

メチル化分析結果の例


  平均
(%)
部位1
(%)
部位2
(%)
部位3
(%)
部位4
(%)
部位5
(%)
サンプル1 40 11 82 85 10 14
サンプル2 40 11 88 85 7 11
高度メチル化コントロール 99 99 100 99 100 99
低メチル化コントロール 8 10 9 13 0 9

5つのCpGのある152 bpのmiRNA-195のアンプリコンの融解プロファイル
(融解曲線の一次微分値をプロット)

アンプリコンにあるCpGがほぼ100%メチル化されている高メチル化コントロール(ピンク)と、メチル化されている割合が約10%の低メチル化コントロール(青)の融解プロファイルは一つのピークとなりました。

これは、ヘテロデュプレクス(メチル化および非メチル化遺伝子から増幅されたフラグメントのハイブリッド)の形成がないか、わずかであるためです。サンプル1(薄い緑)は、サンプル2(濃い緑)に比べて、低温側に大きな肩のあるピークとなりました。

これは、わずかですが、部位2の高メチル化の割合が少なく、部位4、5のメチル化の割合が多いため、より多くのヘテロデュプレックスが形成されるためと考えられます(Gundry et al., 2008b)。

参考文献

  • ・Worm, J., Aggerholm, A., and Guldgerg, P.
     In-tube DNA methylation profiling by fluorescence melting curve analysis.
     (蛍光融解曲線分析によるチューブ内DNAメチル化プロファイリング)
     Clinical Chemistry. 2001. 47:1183-9
  • ・Wojdacz, T.K. and Dobrovic, A.
     Methylation-sensitive high resolution Melting (MS-HRM):
     a new approach for sensitive and high-throughput assessment of metylation.

     (Hi-Res Melting™(MS-HRM) メチル化検出:
      感度の高いハイスループットなメチル化解析のための新しいアプローチ)
     Nucleic Acids Research. 2007. 35.e41.
  • ・Gundry, C.N., Dobrowolski, S.F., Martin, Y.R., Robbins, T.C., Nay, L.M., Boyd, N., Coyne,
     T., Wall, M.D., Witter, C.T., and Teng, D.H.
     Base-pair neutral homozygotes can be discriminated by calibrated
     high-resolution melting of small amplicons.

     (塩基対中立なホモ接合体はキャリブレートされたスモールアンプリコンHi-Res Melting™により識別できる)
     Nucleic Acids Research 2008.36(10): 3401-3408. Epub.2008 Apr 29.
  • ・Gundry C.N., Wall M., McKinney J.T., Hough C., Cutler L., Phillips J.D., Yu M. K., and Teng D.H. (2008b)
      Calibration Improves Methylation Sensitive High Resolution Melting Analysis
     (メチル化解析はキャリブレーションにより感度が向上する)

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