高分解融解曲線解析によるメチル化検出–複数のCpG領域のエピジェネティックな変化の解析
Hi-Res Melting®によるメチル化検出は感度が高く、PCR後のサンプル処理を必要としない。分析は融解温度(Tm)と融解曲線を比較することで行われ、短時間で容易である。この方法は一つのメチル化を検出するのに十分な感度を持っており、複数のCpG領域を同時に解析することができる。加えて、Hi-Res Meltingでは詳細な識別が可能である。
miRNA-1に対する制御エレメントと考えられている遺伝子フラグメントで、5つのCpG領域を持つ152bpのアンプリコンについて解析した。メチル化の割合が10%から100%の間にあるサンプルを識別でき、39%と40%というわずかな差も融解解析から区別することができた。メチル化率と同じく個々のCpGの位置も融解曲線の形に影響するようである。
メチル化検出の一般的な問題について検討した。同一サンプルでもbisulfite処理により異なって変換されてしまう可能性があるという問題は、市販のキットを用いることで最小限にすることができるようである。Bisulfiteで処理されたDNAは分解し易いので、数時間あるいは数日内に処理する必要があると言われているが、TE緩衝液中4℃保存で3ヶ月間安定であった。融解曲線解析ではサンプル間のわずかな温度差、容量差、PCR緩衝液の差によって結果の解釈が困難になることがあるが、アンプリコンの融解に際して内部標準となる温度キャリブレーターを使うことによってこれらの問題が緩和され安定した解析ができた。
高分解能の機器とLCGreen®Plusのような専用試薬を使うことで、PCRフラグメントのメチル化の詳細な絵が得られる。Hi-Res Meltingではbisulfiteで処理したゲノムテンプレートをPCRしたのちHi-Res Meltingで解析する。5-メチル化されていないシトシンはbisulfiteによりウラシルに変換されてアデニンと対を作るようになり、結果としてPCRによってTに置換されたアンプリコンが得られる。
このGC含量の変化はアンプリコンのTmの違いとなって現れる。アンプリコン内のCpGの位置によっても曲線の形は変わる。エピジェネティックな研究にはTmと曲線の解析が必要である。Hi-Res Meltingは配列の不均一性を検出するのに有用である。これは、配列の不均一により生ずるヘテロデュプレックスはブロードな融解曲線となるためである。メチル化は本質的に不均一に起こる。
Idaho Technology社のLightScanner™システム(機器、ソフトウェア、キャリブレーター)は、わずかな配列の不均一性を検出できるので理想的な手法である。

