臨床診断におけるBRCA1/2遺伝子変異の迅速な高感度検出:高分解融解曲線解析2機種の比較
Clinical Chemistry 2008, 54, 982
【背景】
高分解融解曲線解析は核酸塩基配列変異を検出する新たな手法である。機器および飽和結合色素の開発によって高分解融解曲線による正確な検出が可能となり、臨床診断へも使えるようになった。本報では、2機種を使ってBRCA1とBRCA2遺伝子の変異スクリーニングについて検討した。
【方法】
コード領域とスプライスサイトを完全にカバーするために、同一のPCR条件で増幅可能な112のPCRアンプリコン(136-435bp)をデザインした。インターカレーターにはLCGreen Plus®を用いた。
高分解融解曲線解析は96ウェルのLightScanner™(Idaho Technology Inc.)と96ウェルのLightCycler® 480(Roche)を用いて行った。感度の評価には変異がほぼすべてのアンプリコンに点在する212の陽性検体を用い、特異性は22の患者検体を用いてBRCA1とBRCA2についてブラインドテストを行った。すべてあわせて、3521フラグメントを検査した。
【結果】
LightScanner™では通常感度での解析により212すべてのヘテロ接合変異が検出された。LightCycler®480では、すべての変異を検出するために感度設定を通常の0.3から0.7に上げねばならず、特異性が95.5%に低下した(LightScanner™では98.7%)。
【まとめ】
これまで、BRCA1/2の変異解析には、大きいエキソン11はダイレクトシークエンスによって、他のエキソンは変性グラジェントゲル電気泳動(DGGE)によって行っていた。高分解融解曲線解析を導入すると、PCR後の操作が不要になり、解析にソフトウェアが使えるので、結果を得るまでの時間がこれまでの1/3になった。高分解融解曲線解析は迅速、経済的、高感度な方法で、診断ラボでも容易に実施できる。

