スモールアンプリコンを用いた高分解融解曲線解析による一塩基多型ジェノタイピング
Clinical Chemistry 2004, 50, 1156
【背景】
ジェノタイピングのためのPCRアンプリコンのLCGreen™ Iを使う高分解融解曲線解析が最近開発された。PCRを行った試料をそのままガラスキャピラリー内で測定でき、プローブやリアルタイムPCRは不要である。このシステムを、短いアンプリコン(≤50bp)を高速PCR(12分)で増幅して一塩基多型(SNPs)を解析することに適用した。
【方法】
組み換えプラスミドを用いてSNPのすべての一塩基置換の組み合わせについて検討した。
併せて、臨床検体、第V因子(ライデン変異)1691G>A、プロトロンビン20210G>A、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR) 1298A>C、ヘモクロマトーシス(HFE) 187C>G、β-グロビン(ヘモグロビンS)17A>Tの検出プロトコールを開発した。LCGreen IはPCR反応の前に加えた。高分解融解曲線は増幅反応後2分以内に得られた。
【結果】
ヘテロ接合は、ヘテロデュプレックスにより融解曲線の形が変化したため、すべてのケースで容易に同定できた。ホモ接合は、ヒトのSNPのおよそ84%を占めるA::TとG::Cとの間で塩基対が入れ替わるタイプでは融解温度(Tm)が0.8-1.4℃変化したため、Tmから容易にジェノタイピングすることができた。
一方、他の~16%では、DNA鎖間で塩基が入れ替わるが塩基対には変化がないためTmの差は極めて小さかった(<0.4℃)。しかしながら、多くのケースでTmによるジェノタイピングが可能であり、ホモ接合を区別できなかったのは、予想していた通り、SNPに隣接する塩基を含めた配列が対称となる1/4のケース(SNP全体の4%)においてであった。
このような検体に15%になるよう既知のホモ接合フラグメントを添加すると、3種類すべてのジェノタイプを融解曲線から識別することができる。そこで、この手法をHFE 187C>Gに適用した。塩基配列の変化から推定できるように他の4つの臨床検体では、この手法を用いる必要はなかった。
【結論】
高分解融解曲線解析によるSNPジェノタイピングは、簡便、迅速、経済的な方法であり、必要なものはPCR装置、DNA色素、融解曲線解析装置だけである。ガラスキャピラリー内で測定でき、プローブやリアルタイムPCRは不要で、増幅反応後2分以内に結果が得られる。

