ファブリー病罹患者と非罹患者を効率よく分類するハイスループットアッセイの開発
Poster
はじめに
ファブリー病(FD)はX連鎖性のライソゾーム病の一つであり、α-ガラクトシダーゼA(AGAL、EC3,2,1,22)酵素の欠損により、腎臓、神経系、心臓を主として、全身に臓器障害を起こす。
ファブリー病ではGLA遺伝子の異常がX連鎖で遺伝する。AGALの欠損による中性のグリコスフィンゴ脂質、主にグロボトリアオシルセラミド(Gb3、GL-3、セラミドトリヘキソシド)がライソゾーム内に蓄積する。男性のファブリー病の診断は、主に血漿、分離白血球、細胞培養などを用いた手間のかかる生化学アッセイによる。
発症している男性のほぼ100%は完全に、またはほぼ完全に酵素を欠損している。
これに対して女性では、AGAL酵素活性が正常域低値のレベルを示すことがあり解釈が困難である。女性の場合、遺伝子検査が最も信頼できるが、すべてをこの方法で検査するのは経済的に現実的でない。迅速で経済的な酵素アッセイ法が遺伝子検査の前に必要である。
方法
ろ紙またはEDTA採血試料を酵素法と遺伝子法を組み合わせて検査する方法を開発した。
88名のファブリー患者検体(女性73%)と690名の非罹患コントロール(男性41%)を用いて検討した。
AGALの酵素活性は4-メチルウンベリフェリル-α-D-グルコピラノシド(4-MUGal)を基質として酸性溶液中20時間内にAGALで切断されて生成する蛍光体4-メチルウンベリフェロン(4-MU)を測定した。
GLA遺伝子変異はLightScanner™(Idaho Technology)によりスキャニングする方法を開発した。
結果
酵素法での罹患者と非罹患者の酵素活性の平均値は、女性で59.43 vs. 102.18 nM/punch*h(p<0.01)、男性で36.44 vs. 120.47 nM/punch*h (p<0.01)であった。変異スキャニング法をバリデーションしたところ、女性だけでなく男性のヘミ接合も含めてさまざまな変異を検出した。ミスセンス変異、ナンセンス変異、挿入、欠失、FDに伴う心臓病の症状に関連するイントロンの変異を検出した。変異検出の特異性は95%、感度は100%であった。

