定量PCR高分解融解(qPCR-HRM)曲線解析法、点突然変異と広範な遺伝子再構成を同時に検出するための新しいアプローチ: リンチ症候群におけるMLH1生殖細胞系列変異の検出
Human Mutation 2009, 30, 867
ミスマッチ修復遺伝子の病的変異を検出するために複数の方法が開発されている。
これまで、点突然変異と広範にわたる再構成の両方を検出するために2つの異なる手法が用いられてきた。
そこで、我々は新たに「定量PCR(qPCR)高分解融解(HRM)曲線解析」(qPCR-HRM)という新しい方法を提案した。
qPCRとHRMを組み合わせることにより、多くの検体を迅速かつ経済的に分析する方法である。
MLH1遺伝子をqPCRHRMで解析するためのPCRアンプリコンをデザインした。
76名の患者、14名は野生型で62名は既知の変異(57名は点突然変異、5名は再構成を持つ)について多重測定した。
得られた結果は、シークエンシングおよびMLH1アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(array-CGH)の結果と比較検証した。dHPLC法(熱変性高速液体クロマトグラフィー)とMLPA法(multiplex ligation-dependent probe amplification)によって検出されたすべての点突然変異と再構成はqPCRHRMでも同様に検出された。3つの広範にわたる再構成がMLH1アレイ-CGHによって検出された。
リバースプライマーの位置に変異があったためqPCRHRM法では野生型として検出された変異検体が一つあった。チミン塩基が連続した配列(T-stretch)の近傍に変異がある検体(1検体)はqPCRHRMで変異を検出しなかった。dHPLCでも同様に変異は検出しなかった。qPCRHRMによる点突然変異と再構成のプレスクリーニングは、一つの反応液を一種類の装置を用いて1ステップで行える。qPCRHRMによる多重測定では、試薬のコスト、感度、特異性はdHPLC+MLPAと同程度である。しかしながら、qPCRHRMは速さと得られるデータの量で他の方法より優れていた。

