Hi-Res Meltingテクノロジーとは

Hi-Res Melting法では遺伝子の変異(置換、挿入、欠失)を蛍光プロープを用いずに解析できます。

  • ミューテーションスキャニング
  • アンプリコンの融解曲線によるジェノタイピング
  • 非標識プローブを用いたジェノタイピング

Hi-Res Melting(高分子融解曲線分析)は、二本鎖DNAに結合すると蛍光を発する色素LCGreenを用いてPCR産物の融解(熱変性)の過程を蛍光強度の変化として捉え、温度-蛍光のデータを高密度で取得し解析する方法です。
置換、挿入、欠失などの変異があるDNAの融解曲線は野生型と異なる融解曲線を示します。

Hi-Res Meltingテクノロジー関連製品

Hi-Res Meltingテクノロジー関連情報

Hi-Res Meltingテクノロジーの特長

ヘテロ接合の遺伝子のPCRアンプリコンは、熱変性の状態からアニーリング温度以下に急速に冷やすと、ヘテロデュプレクスを含む4種類の二本鎖DNA分子が得られます。ヘテロ接合の遺伝子の融解曲線は4種類の各々の分子が順次融解して得られる下図点線のようになります。

Hi-Res Meltingテクノロジー

DNAシークエンスに掛かるコストと時間が大幅に削減できます

LCGreenを添加してPCRを行ったのち、反応液をそのままHi-Res Melting法で分析します。
二本鎖DNAが融解するとLCGreenが解離し蛍光強度が減少します。
温度に対して蛍光強度をプロットします。
ソフトウェアが自動的に融解曲線をグループ化して、変異の判別、ジェノタイピングを実行します。

Hi-Res Meltingテクノロジー

ヒト肝リパーゼ遺伝子の5'UTR領域にある173bpの二本鎖DNAの融解曲線分析の例を示します。
野生型(WT)、変異型(Het:C-514T)、変異型(Dual Het:C-514TおよびC-480T)の3群を明確に判別することができました。

Hi-Res Melting専用試薬-LCGreen

LCGreenは二本鎖DNAに結合すると440~470nmの光で励記され、470~520nmの蛍光を生じます。
(スペクトルは緩衝液組成、pH、イオン強度、DNA 濃度によって変化します。)
リアルタイムPCRでよく使われるDNA結合色素であるSYBRGreenも似た性質を持ちますがHi-Res Meltingに広く適用できません。

Hi-Res Meltingテクノロジー

上の図は嚢胞性線維症のF508del領域を含むPCRフラグメントを2種類の二本鎖DNA結合色素を用いてHi- Res Meltingで分析した融解曲線の一次微分を示します。
(ピークはホモデュプレクスおよびヘテロデュプレクスのTm値に相当します。)
LCGreenではヘテロデュプレクスを検出しましたが、SYBRGreenでは検出できませんでした。

なぜ、LCGreenはヘテロデュプレックスを検出できるのでしょうか。

Hi-Res Meltingテクノロジー

一つの仮説は、色素飽和モデルによる説明です。
LCGreenは二本鎖DNAに飽和して結合しているため(上図右)融解温度(Tm)の低い領域から解離した色素は再結合できませんが、SYBRGreenは疎に結合しており色素は近傍の二本鎖DNA領域にジャンプして結合するため(上図左)低いTmの融解を見逃すという説明です。

参考文献

  • Liew M,Pryor R,Palais R, Meadows C, Erail M,Lyon E, and Wittwer C. Genotyping of Single-Nucleotide Polymorphisms by High-Resolution Meleing of Small Amplicons. Clin., Chem.,50:7 1156-1164, 2004
  • Zhou L, Wang L, Palais R, Payor R, and Wittwer C. Hiht-Resolution DNA Melting Analysis for Simultaneous Mutation Scanning and Genotyping in Solution. Clin. Chem., 51:10 1770-77, 2005